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(まさかコンビニが、懐かしい風景になる日が来るとはなぁ)
わずか一日で情けなくはあったけど、欲求には逆らえない。わくわくしながら、足を踏み入れた。
眠そうな顔をした中年の男性がレジのなかにある椅子に座っている。
たぶん、オーナー自ら接客しているのだろう。
客は、ひとりだけいた。
スポーツドリンクを選んでいるし、服装がいかにも、という感じで、おそらく早朝ランニングの帰りと思えた。
爽希さんよりはすこし年上に見える男性で、清潔感ある髪型や、背筋がしゃっきり伸びてる様子が、いかにもエリートサラリーマンという感じだ。
(さすが高級住宅地)
あたしは、もう何度繰り返したかわからない言葉を、またもや心のなかで反復する。
あたしはお気に入りのチョコレートのポケットサイズの袋を取ってから、小さな店のなかをぐるっと回った。
なにが置いてあるのか把握しておきたかったし、なにより、今までさんざっぱら見慣れていたものを見ていると、不思議と心が落ち着く。
会計を済ませ、外に出ると、もうすっかり明るくなっていた。
朝食前に行儀が悪いとは思いつつも、あたしはチョコレート菓子を口に放り込みながら、ゆっくりと坂道を戻った。
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