11. 花束のメッセージ

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 ひとしきり、皮肉な笑いを続けたあと、雲雀さんは急に真顔になった。 「でもあなたは、他の人とちょっと違うみたい」 (うーん……。これは、光栄と考えていいんだろうか?)  あたしは反応に困ってしまう。  それを見てどう思ったのか、雲雀さんは今度は素直な笑顔をみせた。 「気に入ったから、追い出さないでおいてあげる」 (いやいや。怖っ……!)  そういえば、たしか爽希さんも面接で牽制してた。  『妹が気に入らなければ……』ってやつ。  なるほど、今までの人たちはそうやってクビになったわけか。  この美少女、儚げで繊細そうなのに、とんだ暴君だ。 「話は終わったわ。帰りましょ」  雲雀さんは妙にさっぱりした顔つきでそう言うと、さっさと自分で車椅子を動かし始めた。  あたしはあわてて後を追う。  帰り道は雲雀さんが自分でどんどん進んでしまうので、あたしは単なる付き添いどころか、ほぼ追っかけと化して、ただついて行くだけだった。  なんだか相手のペースに乗せられっぱなしだ。 (あんまりいい傾向じゃないぞ)  あたしは心の中で汗をかいた。
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