15. いなくなった子 2

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 家に着くと、志麻さんが突然のお客さんに驚いた。 「大丈夫なの、学校は?」 「あの……、や、休みなんです」  ランドセルまで持っていて、そんなウソはすぐにバレる。  でもそれには突っ込まず、志麻さんは言葉を続けた。 「お母さんが心配してるんじゃないの」 「大丈夫です」 「大丈夫、って……」 「母は、僕のことに興味がありませんから」 「えっ」  意外な返事に、あたしはつい驚いてしまった。  こんないいところのお坊ちゃん風な子の口から、そんな悲しい言葉が出てくるとは思わなかったから。  志麻さんの表情も、一瞬で曇る。  でも、すぐにまた明るい顔に戻った。……戻ってみせて(・・・・・・)いた。 「そんなことはないと思うから、お昼食べたら帰りなさい。まずは腹ごしらえね」 「あたしと一緒に食べるから、食事はリビングに運んで」  黙ってずっと聞いていた雲雀さんはそう言うと、さっさとひとりで先に行ってしまった。  あたしはマサシくんの荷物をキッチンの隅に置くのを手伝ってから、リビングへと連れて行った。
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