きっかけ

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この頃、頻繁に全校集会が行われていた。 私の横には背の高い野球部員の男の子と一緒に、また私を守ってくれる男の子がセットでいる。 「またあのブスだ」 やっぱり、私にブスと言いたくなる男子は相変わらず絡んで来た。 「えーっ、何で?可愛いいじゃん」 「どこがだよ」 「全部可愛い」 「変な趣味してんな」 「そうかな?」 「お前の女好きは異常だな」 「んー、世界は可愛いで埋め尽くされてると思うんだよね」 「え?!」 「可愛いいが溢れている世界に住んでいるのって、幸せだと思うんだけど」 「変態か、お前」 「俺、彼女の顔が好き。本当はお前も彼女の事、好きなんじゃねぇの?」 「んな訳ねぇだろ!」 「可愛いからつい、いじめたくなっちゃうとか?」 「てめ、ふざけんな」 彼らが仲がいいのか、悪いのかはわからない。 でもデカチビコンビの彼らはいつも一緒に並んでいた。 大抵、私の事をブスだの可愛いだの言って揉めている。 世の中の基準はわからない。 ただ一つ言える事は、私は彼が好き。 私を可愛いと言ってくれる、彼が好き。
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