エピローグ 新年に乾杯!

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 向かい側では、押村と夏木が言い合いをしている。 「えー、そんな約束してない」 「しました」 「してないよ。ね、春姫さん!」  押村が急にこちらに向いたので固まる。 「柳沢さんは去年いなかったから知らないだろ。同意を求めるな」  新山がフォローしてくれて、誰からともなく笑い始めた。  落ち着いた頃に、春姫がぽつりと漏らした。 「新年っておめでたいんですね」 「当たり前じゃん。なんたって俺の誕生日だからな」  夏木が即答する。 「おい、いいかげんしつこいぞ」  新山が夏木に向かってデコピンのジェスチャーをした。いいコンビだな、と春姫が笑う。 「今年もよろしくね、春姫さん」  押村がテーブルの上にあったビールの缶を配り始めた。 「よろしく、春姫ちゃん」 「今年も柳沢さんのご活躍を願ってますよ」  夏木と新山もそれに続く。 「こちらこそよろしくお願いします」  春姫も三人に負けじと声を張った。 「かんぱーい!」  部屋に四本の缶が当たる音が響いた。  楽しい夜が更けていく。新しい年に期待して、乾杯!
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