1 おうえんねこ

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1 おうえんねこ

 翌朝、目覚めるとまだ朝の九時だった。朝のうちに起きるのは久しぶりだ。柔らかい陽ざしを浴びて、気分が良かった春姫は、散歩がてらコンビニへと向かうことにした。パジャマ代わりの高校時代のジャージの上からコートを羽織る。マフラーを巻き、ショルダーバッグを斜めにかけて、自分の胸元を見下ろす。  多分、大丈夫。  ――ノーブラだけど、コート着てるし、コート脱がないし、すっぴんだけどメガネしてるし、マスクもするし。  春姫は胸元のひもを握りしめた。  ――ブラジャー付けなくても大丈夫なくらいしか、ないし。  俯いて吐き出した息が白い。  戻ってくる頃には温かくなっていることを信じて、エアコンのスイッチを入れてから出かけることにした。
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