340人が本棚に入れています
本棚に追加
第七章 私を覚えていない彼
第七章 私を覚えていない彼
私と別れて彼はどんな生活を送っていたのだろうか?
彼は・・・毎日手の震えと戦っていた時々頭の中が真っ白になることが頻繁になってきた。
手の震えが起きる度にスマホを手に取り、私の連絡先を開く、閉じる、開く、閉じる、この繰り返しをしていた。
「あゆみ、助けてくれ、あゆみ、あゆみ」
手の震えが止まらない、呼吸が苦しくなって、頭痛が彼を悩ます。
今彼の置かれている状況を彼自身が把握出来なくなってきたのだ。
あまりの苦痛に気を失う、目が覚めると自分が何をしていたのか、さっぱり思い出せない
そんなことの繰り返しの中、彼の記憶から私は消えた。
最初のコメントを投稿しよう!