第七章 私を覚えていない彼

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私はメッセージを返して様子を見ることにした。 『ご連絡ありがとうございます、リニューアルオープンに向けてのご注文ですね、二ヶ月あればお引き受け出来ますが、当店をお選び頂いたのはどなたかのご紹介でしょうか』 彼からの返事を待った。 『引き受けて頂けるとのことで感謝致します、貴店を選んだのはホームページが気に入ったからです、凄く心惹かれて・・・』 凄く心惹かれて・・・心臓の鼓動が早くなるのを感じた、彼だったらどうしよう。 一年かけてやっと忘れられたのに・・・違う一年かけても忘れられない、彼と会ったら平常心じゃいられない、断ろうかな?でも本当は会いたい、麻生凌に・・・ 『お引き受け頂けるとのことでありがとうございます。早速ですが、打ち合わせしたいので、俺のマンションにご足労お願い出来ますでしょうか?』 えっ彼のマンション?いろんな気持ちが交錯してすぐにメッセージを送ることが出来なかった。 『ご都合が良い日をご連絡頂けますか?お店までお迎えに伺います』
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