24 OL、無愛想なエリート先輩と未来を誓い合う。

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24 OL、無愛想なエリート先輩と未来を誓い合う。

 吐く息が白くなってきた年の瀬。  日の入り時刻はかなり早くなり、暗くなった街は緑や赤の電飾に彩られる。  私はあの日から、できるだけ残業をしないように心がけ、鬼藤先輩――もとい、悠宇さんと一緒に退社することが多くなった。  そしてもちろん、今日も。 「奈紡、お疲れ様」  悠宇さんがそう言って、会社を出たところで私の手をきゅっと握る。 「悠宇さんも」  答えながら、手袋越しに悠宇さんの温もりを感じて、胸がキュウとなる。 「熱いね~、寒いのに! お疲れっした~」  背後から現れた誠也くんが冷やかしながら私たちを追い抜かしていく。  私たちは、結局職場公認の仲になってしまった。  その立役者は誰なのか、言うまでもない。  冷やかされれば顔が熱くなる。  火照った顔のまま、二人でいそいそと駅へ向かった。  保育園に行くと、麻凪くんは「なつむ~」と元気にこちらに駆けよってきた。  今日は私がお迎えの日だ。  悠宇さんには別のことを頼んでいる。 「おかえり、麻凪くん」  麻凪くんは、以前と同じようによく笑うようになった。  けれど、時折ふと寂しそうな顔をする。  そういう時は決まって、私か悠宇さんに抱きついてくるようになった。 (こんなに小さいのに、自分の中でお母さんのことを乗り越えようと頑張ってるんだな)  その健気な姿に、私も力をもらっている。  きっといつか、麻凪くんの中で色々とわかるようになる日が来る。  その日までは、彼の気持ちに敏感でいたいと思う。 「なつむ、今日のご飯なに?」  園を出て、小さな手できゅっと私の手を握りながら、麻凪くんが言う。 「今日はクリスマスの特別メニューだよ!」 「やった! なつむ、ぼくのところにサンタさんくるかなぁ?」  期待に目をキラキラさせながら、麻凪くんは空を見上げた。  空飛ぶソリを探しているのかもしれない。 「きっと来るよ、いい子でいたんだから」  反対の手で麻凪くんの頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細めていた。
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