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「メリークリスマス!」
私が作ったクリスマスメニューに、悠宇さんが取りに行ってくれたクリスマスケーキ。
ささやかなクリスマスのお祝いを、三人でする。
麻凪くんはクリスマスソングを鼻唄で歌いながら、口の周りをクリームだらけにしてケーキを頬張る。
「ああもう、麻凪……」
隣で悠宇さんがため息を溢した。
「いいじゃないですか、今日くらい」
私がふふっと笑ってスマホを手に構えれば、クリームいっぱいの口元のまま、麻凪くんがこちらにピースサインを向けた。
「ほら、可愛い思い出」
「あのなぁ」
カシャッと撮った画面を二人に向けると、麻凪くんが「ぼく、サンタさんみたい!」とケラケラ笑う。
それで、悠宇さんも堪えられなくなったのか、クスクスと肩を揺らした。
こうやって、楽しい思い出が増えていけばいい。
辛いことがあっても、楽しいことはたくさん待っているんだよと、麻凪くんに伝えたい。
――だって、私だって今、とても幸せなのだから。
麻凪くんはお風呂に入ると
「サンタさんだから早く寝ないと!」
と、早々に寝室へ自主的に向かっていった。
「そうだな、早く寝よう」
と、悠宇さんもついていく。
「お、えらーい!」
と煽てながら、私は寝室に入っていく二人に「おやすみなさい」と手を振った。
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