24 OL、無愛想なエリート先輩と未来を誓い合う。

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「メリークリスマス!」  私が作ったクリスマスメニューに、悠宇さんが取りに行ってくれたクリスマスケーキ。  ささやかなクリスマスのお祝いを、三人でする。  麻凪くんはクリスマスソングを鼻唄で歌いながら、口の周りをクリームだらけにしてケーキを頬張る。 「ああもう、麻凪……」  隣で悠宇さんがため息を溢した。 「いいじゃないですか、今日くらい」  私がふふっと笑ってスマホを手に構えれば、クリームいっぱいの口元のまま、麻凪くんがこちらにピースサインを向けた。 「ほら、可愛い思い出」 「あのなぁ」  カシャッと撮った画面を二人に向けると、麻凪くんが「ぼく、サンタさんみたい!」とケラケラ笑う。  それで、悠宇さんも堪えられなくなったのか、クスクスと肩を揺らした。  こうやって、楽しい思い出が増えていけばいい。  辛いことがあっても、楽しいことはたくさん待っているんだよと、麻凪くんに伝えたい。  ――だって、私だって今、とても幸せなのだから。  麻凪くんはお風呂に入ると 「サンタさんだから早く寝ないと!」  と、早々に寝室へ自主的に向かっていった。 「そうだな、早く寝よう」  と、悠宇さんもついていく。 「お、えらーい!」  と煽てながら、私は寝室に入っていく二人に「おやすみなさい」と手を振った。
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