24 OL、無愛想なエリート先輩と未来を誓い合う。

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 リビングでいつもの晩酌の準備をしていると、悠宇さんが寝室から出てきた。 「お疲れ様です」 「ああ」  悠宇さんが微笑してワインを選び、手に取る。  私はワインには無知だから、こればっかりはいつも悠宇さんに任せている。 「あ、その前に!」  私が言うと、悠宇さんは「そうだったな」と部屋の奥の収納棚を開ける。  取り出したのは、ラッピングされた箱。  麻凪くんへのプレゼントだ。  悠宇サンタは優しい顔をして、眠りについた麻凪くんの元に向かう。  私もトナカイになったつもりで、ついてゆく。  彼の枕元にそっとプレゼントを置けば、サンタクロースは任務を完了する。  グーサインをトナカイに向け、そのままそうっと寝室を出て。  リビングに来れば、私たちは私たちに戻る。  そっと互いに手を取り合って、ソファに腰かけた。 「プレゼントの中身、結局何にしたんですか?」  ワインを注ぐ悠宇さんに尋ねた。  麻凪くんを私が迎えに行っている間、ケーキだけでなくプレゼントもお願いしていたのだ。 「色鉛筆とクレヨンと、ペンが一緒になったお絵描きセットにした。ぬいぐるみは、また出かけた時に買ってやればいい」  なるほど、と思うと同時に、売り場で真剣にプレゼントを選ぶ悠宇さんが脳裏に浮かぶ。  似合わないなあとクスリと笑い、それを見た悠宇さんが「ん?」と怪訝な視線を向けてきた。 「麻凪くん、よろこびそうですね」  言えば、悠宇さんは嬉しそうに頬をほころばせる。 「ああ」  それでなんだか嬉しくなって、私はワインを頂きながら、隣に座る悠宇さんの肩にコテンと頭を預けた。  すると、悠宇さんの腕が私を抱き寄せる。 (甘いな……)  会社では絶対に見せない、私しか知らない恋人の顔。  悠宇さんは二人きりになると、途端に甘くなる。  幸せで満たされて、頬がにやけてしまう。 (こうなったのも、あの日からだよなぁ……)  私は悠宇さんと思いを伝えあった日の夜のことを思い出していた。
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