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第一章
あたしの人生を一言で表すとしたら、「退屈」よりも適している言葉はないと思う。
同年代の子たちが夢中になっているゲームや、恋バナなんて、あたしにとっては「くだらない」としか思えなかった。
あたしは生きていて、何一つと、楽しいなんて感じたことが無かった。
あたしは金銭的に見れば恵まれている環境にいるのかもしれない。
毎日三食ご飯が食べられて、毎日服を着れているし、学費もちゃんと親に払ってもらえているし、お金に不自由していないから。
けれど…、あたしは幼い頃からこう思っているんだ。
どんなに金に困っていなかろうと、生きていることが退屈で仕方なかったら、金に困っていて、明日を食いつなぐこともやっとやっとだが、生き甲斐を感じている人のほうが"幸せ”なのではないか、と。
あたしはそこまで考えて思った。
あたしみたいな人間は…生きてる価値なんて無いから、死んだほうがましなんじゃないか、と。
毎日毎日、周りに同情して、楽しいフリ、嬉しいフリ。周りが面白いと感じていることは一緒に笑って、周りが悲しいと思うことがあったら一緒に泣いて。
家に帰ってきても、親の機嫌が悪かろうと良かろうと笑顔を浮かべて、お手伝いをして。簡単な学校から貰ってきた課題を、難しい問題にも果敢に挑戦している優秀な子供、を演じてやって。毎日早寝早起きをして。
もうこんな生活、終わってしまえばいいのに。
そう小学生の…一年生ぐらいの頃から思うようになって、それ以来、あたしは死に方について調べるようになったんだ。
毎日、新聞の殺人事件とか自殺とかの記事を朝読んで、学校の休み時間はひたすら学校から支給されたパソコンで過去の殺人事件や自殺の記事を調べて読んで。家に帰ったら、図書館から借りてきた過去の事件について綴られている資料を読んだり、朝読みきれなかった記事を読んだり。
いいな、と思った事件や死に方は、ノートに書いて、書いて、書いて。
死に方を書き綴ったノートの数は、数十冊にも渡った。
そんな生活をずっと続けていたら、あたしは中学三年生になった。
中三の四月、出会ったんだ。
あたしと同じような境遇を、生きている人に。
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