魅惑のお薬

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 「…それじゃ、僕こっちだから。バイバイ」  「バイバイ」  瑠輝乃と離れたあと、あたしは走って家に帰ると、自室に入り、早速薬を飲んでみた。  着替えてリビングに行くと、母親が掃除機をかけていた。  「あら、魅区帰ってたの?おかえり」  「ただいま」  何だか親と話すのが、初めて楽しいと感じた。  「あたし、お昼ごはん作るよ。お母さん、何食べたい?」  「そうね。冷やし中華がいいかしら」  「OKー」  あたしは冷蔵庫と戸棚から材料を取り出し、食材を切ってタレを作って麺を茹でて…冷やし中華を作った。  「…出来たよ」    お皿に装った机に冷やし中華を置く。  「ありがと。戴きます」  あたしは冷やし中華を啜る。  「…今日の魅区楽しそうだね。何か良い事あった?」  冷やし中華を食べながら、お母さんが聞いてきた。  「特にいつもと変わんないよ」  「お母さんはわかるんだから。何か良い事あったんでしょ」  もうあの薬の効果が出てきてるのかな。…凄っ。  「普通だよ」  正直、あたしは何だか楽しくて楽しくてしょうが無かった。  …こんなの生まれてはじめて。  
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