魅惑のお薬 (2)

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魅惑のお薬 (2)

 あたしは"人生が退屈だと感じなくていい薬"を手に入れてからというもの、生きているのが楽しくて楽しくて。  簡単すぎる学校の授業も、くだらなすぎる話も、何一つと面白みのない親と喋ることも、何もかもが、楽しくて仕方が無かった。  けど一番楽しいのは、瑠輝乃と喋ること。  瑠輝乃とは気が合うみたいで、凄い喋ってて楽しかった。  あたしが、あの薬を飲んでいることを瑠輝乃は知ってるから、凄い安心していられた。  休み時間にトイレに薬の入った小さい赤い入れ物が入っているため、ポケットを膨れさせて行っても変な顔をされないし、あたしが偶に学校に数万円が入った財布を持ってきているのを知っても、瑠輝乃なら盗らないことを信用できたから。  他の子達と喋ってるのも楽しかったけど、瑠輝乃と喋るのは別格に違った。
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