毒親山手線

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 毒親が元毒親に自分の子供たちを託すという、どう考えても乗せてはいけない列車の中で、私たち兄妹はゆられていた。  祖母はほとんど家を空けている。  家事はほぼしない。私たちがギリギリ生きてるラインでしかしない人だった。  このギリギリのラインが本当に辛かった。完全放棄してくれないか、何度願ったか知らない。  祖母が出かけるのは大半がギャンブルだった。朝早くからパチンコ屋へと出かけると、閉店するまで帰宅する事はよっぽどない。  そんな生活も何れ慣れてしまうのだが、困ったのは、私たち兄妹が体調を崩した時だった。
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