毒親山手線

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毒親山手線

 私の親は、俗に言う毒親で、母は未婚のまま私と兄を産み、育てきれず、祖母に私たちを預け、二度と帰らぬ人となった。  帰らぬ人と言っても他界した訳ではなく、その文字のまま、ただ帰ってこない人となったのだ。  そんないいかげんな母親を育てたのは、もちろん祖母で、祖母がまともな人ならば、母の生き様も多少なりとも良くなったのではないかと、今なら思う。  家はつまり、毒親が毒親をまた産み出すという、毒親山手線みたいなルートが出来上がっていた。
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