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これは私のカラダですっ!
私は、可愛い。
主観だけではなくて、客観的評価も踏まえて、それは間違いないと思う。
でも恋人が出来たことはない。そして、残念なことに今後も出来ないと思う。うっ……泣
私は、男の子といい感じまでいくと、必ず意識を失う。そして、目が覚めると男の子はお腹を押さえてうずくまっていたり、顔にアザができて泣いていたりする。
後から聞くと、私に殴る蹴るの暴行を加えられたらしい。お医者様によると、局所的な二重人格とのことだった。
そして17歳になった今日、私の恋愛を妨害してきた憎き犯人と遭遇することになる。
私は、誰かに身体を操られ、鏡の前で裸にされようとしている所で意識を取り戻した。何とかギリギリのところでローブの裾を離す。すると、
「パンツ見れなかったああああ!!」
――え? 私の口が勝手に……叫んだ?
私は、私の中にいる人格に頭の中で問いかけた。
――ちょっと、あなた誰ですか!?
――お、脳内で会話できるのか!すげえ!
――すげえじゃないですっ!これは私のカラダですっ!出て行ってもらえませんかっ!?
――いやいや、これは俺のでもあるんだよ。なんせ転生してきたんだからさっ!
「何が転生ですか!もうやめてください!」
「なんだよ、お前が男に迫られてた時、助けてやったじゃねえか!」
――迫られるって…… まさかその、キスのこと……言ってます?
――そうだよ、俺がアイツらをとっちめてやったんだからよ!そのおかげで、まだ綺麗な身体だろ?
「お前えええ!!」
「何だよこらあああ!!」
私たちは脳内で会話したり、実際に声を出したりしながら、どんどん口論がヒートアップする。
ガチャッ!
扉を開け、心配したママが部屋に入って来た。
「どうしたのティア!また頭おかしくなったのっ!?」
「ママ、違うの、あのね」「お母さん、どうも初めまして、わたくし」「ちょっと!出てこないで!」「ティアさんは必ずワテクシがお守りシマスノデッ」「ふざけんな!」
私の声で、意思に反する言葉が次々と出てくる。私が喋らないタイミングで口を使われるから、呼吸するのが難しい。そんなことを思っていたら、
バタンッ!
ママはショックのあまり倒れてしまった。
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