んなこと言われても

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んなこと言われても

「ママ!」「お母さん!」 「すぐにお医者様を…… いや、今この村にはいない」 ――回復魔法とか無いのかよ? 「はぁ!?そんな高度な魔法、私が使えるわけないでしょ!」 ――へー、回復魔法ってこの世界だと高度なのかー 「あ、あんたはできるの?」 ――いやー出来るというか、出来る気はする。うん、何となくイメージで。ゲームとか漫画であるもんな 「ちょっと、よく分かんないけど、できるならやってよ!この身体貸すから!」 ――わかった、任せろ!  俺はゲームや漫画で培った知識で、手に生命のエネルギー的なやつを込め、放出するイメージでやってみた。  すると、手から光のふわふわとした粒子が出てきて、お母さんに降り注ぐ。 「ちょっと、これって…… 本当に回復魔法!?」 ――だから言ったろー? 出来る気がするって 「す、すごい……」  ママは意識を取り戻したけど、ふらふらとしていたので私のベッドで休ませた。  私たちは……いや、私!は、居間のソファに座った。 ――おーリビングはこうなってんのか。暖炉にソファにテーブル、全部西洋風でオシャレだなぁ ――セイヨー? ま、まあいいわ、さっきはありがとう ――おう! じゃあ早速、身体貸してくれよ ――はあ? ――さっき身体貸すから助けてくれって言ったじゃねえか ――それは、あの時の話よ!お母さんを助ける時に貸すよって意味! 「はぁ!?じゃあ俺に何の得もないじゃん!」 「静かにっ!ママが起きちゃう」 ――私の身体で生きてるんだから文句言わないでよ! ――命の恩人にその態度かよぉ〜?   ――当たり前ですっ! いいからさっさと出て行ってください! ――んなこと言われても出来ないもん 「えっ!?」
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