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「...翔也様、仮にも好きだと伝えた相手の目の前で他の人に軽率に好きなんて言わないでください...
嫉妬しちゃいます」
「へぇッ!?」
祐介と仲直り出来て浮かれていた時、後ろから囁くように巽の声が聞こえて、驚いて変な声が出た。
飛び退いて、囁かれた耳を思わず塞ぐ。
そ、そうだった...俺、巽に告白されたんだった...
「ぁ...う」
言葉を紡ごうにも俺の口からは、情けない声が漏れるばかりで恥ずかしい。
こんなに心を揺さぶられるのは初めてで俺自身どうしていいか分からない。
嫉妬....って、でも、祐介は藤原のことが好きで、俺の事そんな目で見ていないからお前の勘違いなんだよな...
意外にも2人が親しく話しているから、「思ったより仲良かったのか」と初めて気がついた。
俺、意外と周りの人間関係や気持ちに気づいていないんだな...
でも、祐介と藤原は別だ。あれは俺でもわかった。
まぁ、あいつらが分かりやすかったって言うのもあるが。
逆に、巽や転校生は本当に分からない。
今日初めて巽に告白されて、始めて巽の気持ちを知ったしな。
転校生はなんだ...?
多分、新入生歓迎会にやられた口に舌を入れるヤツは、転校生の母国での威嚇だったんじゃないかと思う。
あの時、分厚いメガネの奥の目がギラリと光ったような気がして、少しだけ体が強ばった。
多分、地球人にはない特性?みたいなんだと思う。
少し感覚を思い出して、口の中がムズムズした。
ほんとにあいつなんなんだ...?
どこの星の生物だ。
詳細を知っているだろう巽に「転校生の正体」について聞くために、備え付けてあるソファに座った。
まだ立っている2人にソファに座るように、空いている両隣を叩いた。
早く2人も座れよ
巽に紙とペンを貸してもらい、とりあえず太陽系を描く。
左から、太陽、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星。
2人にも分かりやすいように火星と木星の間に小惑星帯だと分かるような線を描いた。
多分これでわかると思うが、一応海王星の外側に太陽系外縁天体の印も描いておく。
よし
「巽は転校生はどこから来たと思う?」
「へ?」
あれ、巽の反応的に太陽系じゃないのか?
俺たちが住んでいる天の川銀河系には地球型惑星が多く存在するらしいが、銀河の直径が約10万光年だと言われていて、もし、太陽系以外の惑星から来たと言われても現実味が皆無だ。
太陽系や天の川銀河系以外も調べとくべきだった。そんなに、天文学には詳しくない。
10万光年を一瞬で移動できる宇宙船があったら話が別だが...
いやでも、タイムリープ出来るなら可能なのか...?
アインシュタインの相対性理論は有名だが、俺には知識不足だった。こんなことなら、量子力学も学んでおけばよかった。
とりあえず、1番現実味のある太陽系から考察していこう。
もし、候補が無かったらまた、確認しに行けばいい。
「それだけ聞いて答えれる奴がいるかよ、この紙となんの関係があんのかも説明しろ」
「ん?これ太陽系描いたんだけど...もしかして分かんなかったか?」
結構、上手くかけたつもりだったがどうやら2人には分からなかったらしい。
もしかして円が歪で惑星だって分からなかったか...?
じゃあ名前を描いておこうと思ったが、そうでは無いらしい。
じゃあ、何が分かんないんだ!もしかして色が無いからか??
そう思って模様も描いといた。
え?これも違う??
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