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甘く蕩けるようなキスを何度も繰り返し、息が上がり始める。
沙羅はカットソーを大胆にたくし上げ、キャミソールに包まれた肢体が露になった。
もどかし気にキャミソールをはぐと、ダウンライトの光の下で、沙羅のなめらかな素肌は艶めかしく見える。
スッと細めた慶太の瞳は艶を帯び、大人の色気を放つ。
「沙羅、好きだよ」
慶太に耳元で囁かれ、それをくすぐったく感じた沙羅は身をよじりながら、照れたようにつぶやく。
「……ばか」
沙羅の細い首筋をなぞるように慶太の舌が這い、体の奥からゆっくりと官能が引き出されていく。
「あっ……」
胸元にチュッと強く吸い付かれ、沙羅の体がピクリと跳ねる。
上目づかいで慶太に婀娜っぽく見つめられ、ひどく恥ずかしい。
やがて、唇が離れると、所有痕が赤い花のように残されていた。
それを見た慶太が満足気に微笑む。
「ん、綺麗だ」
所有痕を残された沙羅は火照った顔を背ける。でも、心の中では嬉しく思っていた。
好きになればなるほど、胸が切なく痛む。
慶太を信じると決めたけれど、慶太のような素敵な人に自分が釣り合うのか自信が持てない。
けれど、情熱的に愛されていると、自分でもいいんだと思えてくる。
恋は綺麗な感情ばかりでなく、自分のダメな面や嫌な面とも向き合う事になる。誰かを好きになる事でこんなに不安定になるなんて、怖いとも思った。
もっと精神的に強くなって、慶太に与えてもらうばかりでなく、慶太を支えて行けるようになりたい。
沙羅は、慶太に手を伸ばす。
「慶太、好き」
広い背中に手をまわし、ギュッと抱きしめる。
合わさる素肌から、温かな体温を感じた。
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