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コーヒーの良い香りに誘われて、沙羅は目を覚ました。 見慣れない天井に一瞬戸惑う沙羅だったが、どこに居るのか思い出し、モゾモゾと起き上がる。  その様子に気付いた慶太が声をかけてくる。 「おはよう、沙羅」 「おはよう」 窓際に置かれたソファーから慶太は立ち上がり、 まだ、整えられて居ない髪を片手で撫で付けながら、ベッドへ近づいて来る。 バスローブをルーズに羽織り、少し気だるそうな様は、男の色気を放っていた。  ベッドに腰を下ろし、寝起きの悪い沙羅を覗き込む。 「体は平気?」 「うん、大丈夫」  顔が近づき、チュッとキスを落とされ、朝からなんだか心がくすぐったい。  昨晩は、久しぶりの再会を果たし、お互いが思い合っていたのを確かめる事が出来た。  その上、勘違いからのヤキモチが、スパイスになり、情熱的夜を過ごしたのだ。   「良く寝ていたね。ルームサービスが届いているよ。朝食にしよう」 「ありがとう。コーヒーの匂いでお腹が空いちゃったの」 「起きるのがキツかったら、ベッドまで運んでこようか?」  とことん甘い慶太に沙羅はニコッと微笑む。 「大丈夫。ソファーまで行くぐらいなんでもないわ」  慶太が沙羅の肩へバスローブを掛けてくれた。  袖を通し、前で合わせると、自然と視線が下を向いた。すると、慶太に付けられた胸元のキスマークが視界に入る。  抱かれた時の官能を思い出し、カァッと頬が熱くなった。  
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