あなたの体臭が嗅ぎたいです~可愛い彼女は匂いフェチ~

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 まさかの展開に唖然とする。  こんなにも可愛くて清楚な感じの子なのに。  名門女学院の制服を着てるってことは、頭も相当いいはずなのに。  天才と変態は紙一重とはこのことか。  などと、どうでもいいことを考えていると彼女はモジモジしながら聞いてきた。 「あ、あのぉ……、お願いがあるんですけど……」 「なんですか?」 「少しの間、息を止めててくださいませんか?」 「は、はい?」  息を止める?  何言ってんの、この人。 「少しの間だけでいいんです。お願いできませんか?」  少しの間ならどうということはない。  よくわからないお願いだったけれど、僕は彼女の言うとおり鼻をおさえて息を止めてみた。  すると、距離を取っていた彼女がソソソッとやってきた。 「………?」  いつもすれ違う、絶妙な距離。  そこで何をするのかと思いきや、いきなり彼女は僕の胸元に顔をおしつけてきた。 「ぶほっ!」 「ちょ、息止めててください!」 「ななな、何してるんですか!?」 「匂いを嗅いでるんです!」 「に、匂い?」 「あなたの体臭」  なんだ、この人。  マックス変態じゃないか。 「やっぱり、あなたの匂いを嗅がないと一日が始まらないんです!」 「いや、僕の匂いなんて……」  普通に汗臭いだけだと思う。 「く、臭くない?」 「いいえ、あなたの体臭は完璧です! 濃密で、濃厚で、鼻の奥がツンととろけるような、素敵な匂いです!」 「それ、褒めてんの!?」  軽くショック受けるんですけど!  けれども彼女は嬉しそうに僕の胸に顏をうずめながらくんかくんかと鼻を鳴らしている。 「ああ、やっぱり最高。あなたの匂いは最高」
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