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地下駐車場から出ると、かなり強く降っていた。 雨は予想はしたけれど、傘は持っていない。 『これは送ってもらえて助かるよ。 ありがとうね。』 『いいよ。ついでだし。 雨が降るのわかるのすげぇな。 負けたよ。』 『…雨の前は頭がちょっと痛くなるのよ。 気圧のせいかな。 運動不足もあるよね。』 さっき心配してくれたから言いづらかったけど、種明かしは必要…。 『そういうことか。 午後調子悪そうだったけど大丈夫かよ? 頭痛薬、頻繁に飲んでるよな。』 『あはは、よく見てるね。 なんかクセになっちゃって。 飲むと安心するというか…。』 悪い薬ではないけれど、言ってしまってから止めたいのに止められない情けない自分を晒したようで嫌になった。 話題を変えたい。 『それにしても、《大丈夫か?》とか《送るよ》とかさらりと言ってくれちゃって。 男子力高いよね。』 はぁ?と言いながら鼻で笑う。 『あ、送ってもらうなんて彼女に悪かったね。』 これには前を向いたまま反応が無い。 いつかの同期の飲み会の時は彼女いるようなことを言っていたはず。 あらら、傷付けること言っちゃったのかな…と心の中で慌てだしたら、遠藤くんは半笑いで呟いた。 『彼女はいねぇよ。』
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