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教室に入ってくるなり、わたしのもとへ駆け寄ってくる女の子。
肩につくくらいのゆるふわのボブの髪に、お上品なワンピースを着ている。
名前は、千葉芹那。
わたしのどこにでもあるような普通の赤いランドセルとは違い、芹那ちゃんのランドセルはキルティング模様のアイボリー色。
パールのチェーンといった装飾品もついていて、女の子の憧れをギュッと詰め込んだようなかわいいランドセルを背負っている。
おしゃれにも敏感で、地味なわたしとは正反対だけれど、そんな芹那ちゃんがわたしの幼稚園からの幼なじみだ。
「またベルが現れたんだってね!」
「うん。さっき教えてもらったよ」
芹那ちゃんはわたしの前の座席に座り、ベルについて熱く語る。
わたしはその話に相づちを打ちながら、静かに聞いていた。
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