離れ離れになった双子の姉

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私の名前は『倉木 智乃(くらき ちの)』、出身は静岡県富士宮市で大学入学時に東京に上京して電子工学科の4年制大学を卒業後、警視庁に就職してサイバー犯罪捜査官として働いている27歳の平凡な女子だ。 私には『志乃(しの)』という名前の双子の姉がいるが、幼い頃に両親を亡くした志乃と私は長野県松本市の児童養護施設に引き取られ、5歳になった頃に別々の里親に引き取られた。 里親に引き取られるときは、姉は沖縄県内の里親に引き取られたらしく、私は静岡県富士宮市の里親に引き取られた。 その後私は姉と会うことはなく、姉はどこでどのような生活をしているのか、姉の消息はまったく分からない状況だった。 私は警視庁で国家機密情報を監視する部署に配属されているが、最近主に海外から国家機密情報を管理するサーバにアクセスしようとするハッカーがいて、サイバー攻撃が多発していることが分かっている。 幸いアクセスがあってもサーバの内部に入り込まれるようなハッキングはなく、何とか国家機密情報は漏洩せずに済んでいる。 しかし日本国は世界中から狙われていることに間違いはなさそうだ。 ある日私は特別捜査本部の本部長から呼び出され、本部長室に足を運んだ。 本部長は警視庁の中でも高い役職の方で、私のような警部補になったばかりの末端の警察官が話をするような相手ではない。 だからなおさらなぜ私が呼び出されたのか想像できず、不安な気持ちを持ちながら本部長室に向かった。 本部長室の前で私は極度の緊張感に襲われながら、深呼吸してから本部長室のドアをノックした。 部屋の中から、 「どうぞ!」 という声が聞こえてきて私は、 「失礼します。」 とはっきりとした口調で言いながら、おそるおそるドアを開けると、正面の席に座ってこちらを見ている本部長がいた。 本部長は立ち上がって、私を本部長の席の前にあるソファーに座るように指示され、私は本部長がソファーに座ってから、 「失礼します。」 と言ってソファーに座った。
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