あなたと私は、交わることのない片想いで終わると思っていました

⑥

　今日は、八月の星空観望会の日…八月一週目の週末。集合時間は、十八時四十五分。スタートは十九時で、二十時半終了予定。

　夕方になり、私はいつも通り気軽な格好····上は半そでのチュニック、下はジーンズに着替える。今日、稲延さんに会えるからと、お洒落な格好をして行くのも何か違う気がするから…。そして、持ち物の準備をする。お菓子、星座早見盤、小さめの懐中電灯(赤いセロファンで覆ったもの)、薄手の長袖のパーカー、ミニ扇風機、充電池と虫除けを用意してリュックに入れて、外ポケットには財布、スマホ、ICOCA、星空観望会の年パスを入れて準備完了。
リュックを手に持って玄関に行き、スニーカーを履く。下駄箱の上に置いている虫除けをさっと全身に振り掛けて出来上がり。天気は晴れ！準備オッケー！リュックを背負って、さぁ、出発！

　電車に乗って、駅から歩いて星空観望会会場の天文館に到着。
館内に入って、受付で年パスを見せて、会場の屋上へ階段で上がって、屋上へ続く重い扉を開ける。会場には参加者が集まっていて、この中に稲延さんがいると思うと、急に心臓がどきどきしてきた。