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⑨
そして、今…彼の車の中で、私が座っている場所は助手席。
天文館を出発して十五分程過ぎた頃、彼が私に話し掛けた。
「あの、これからあなたに話したいことを話していいですか?多分、いや、かなり驚かはる内容になりますが」
「驚いても聞きたいです」
「ありがとう…じゃあ、どこかに車止めますね。それから話します」
そう言って少し車を走らせると、上手い具合に止めやすそうな場所が見つかって、ハザードランプをつけて、そこに車を止めた。
ハザードランプとエンジン(エアコン)はつけたまま、ライトを消し、サイドブレーキを引いて、シフトをパーキングにした。そして、シートベルトをはずし、私にもはずすように促した。
彼はフロントガラスを見ながら深呼吸をし、そして、私の方に向きを変えて、もう一度深呼吸をして、私を見ながらよく通る声でゆっくり話し出した。
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