第11話「幻影」

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そして姿を見せない「殺人鬼」はモア・ベンデック・オルバの影に隠れて合計10の未解決事件を同時に生み出したのである。その1つがステフィン・カリー・ローズ失踪事件である。通称「血のローズ事件」とあだ名されるこの事件は…1946年6月に起きた事件で…当時7歳だったステフィン・カリーが何者かに誘拐されたことから始まる。 警察は当初…オルバの犯行と関連付けて捜査を開始した為に…事件の重要な証拠の多くを粗雑に扱っていた。その為…犯人のものと見られる指紋がオルバのものではないとわかるまでに…約1年という年月を費やした。それと同時に浮かび上がったのは…姿を見せない犯人の何とも言えない異様さである。アッシュはそんなことが書かれた古い新聞記事を見ながら…紅茶をひとくち口に含んでフゥーっと息を吐く。そして窓を開けてベルに問い掛ける。 アッシュ「ねぇ?ベル?この事件の犯人と今回僕らが追ってる犯人は似てると思わないかい?」 アッシュ「犯人は姿を見せずに人形を操る様に裏で糸を引いている。そして…僕たちを嘲笑うように…事件の影に隠れて…暗躍している。まるでかのモリアーティ教授のようにね?」 数秒後…ガチャっという音と共に扉が開いて…ブリッツが姿をみせる。 ブリッツ「アッシュ!!?例の件についてだが…お前の言う通りだったぜ!!?」そう言うと…ブリッツは部屋に入るなり…いくつかの書類をアッシュの机の上に乱雑に置いて眉間にシワをよせる。
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