ドッペルゲンガー

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 私と草太兄ちゃんはお弁当を食べるため、保健室に来た。富田先生が養護教諭にお膳立てしてくれたので、安心して保健室でお弁当を食べることができた。  冷房の利いた涼しい部屋でのハンバーグ弁当はとても美味しかった。 「それにしてもカヤノさんは花子ちゃんに似ているわね」 「そんなに似てますか?」 「ええ。でも、カヤノさんの方が行儀いいわ」 「あはは、それはうれしいです」  花子さんは、本当にどういう人なんだろう。  先生に怒られたり、行儀が(私より)悪いと思われていたり。 「でも、花子さんって、この学校のみんなから慕われているんですね」  草太兄ちゃんがそう尋ねると、養護教諭のおばあちゃん先生は、目尻にたくさんのシワを刻みながら笑った。 「ええ。花子ちゃんは、なんていうのかしら、この学校を変えるぐらいパワフルな子なのよ」  私は思わず「良いなあ」と言ってしまった。 「カヤ?」  草太兄ちゃんは思わず私の顔をのぞきこむ。私は「ううん、何でもない」と言って、草太兄ちゃんを急かして保健室を後にした。
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