0人が本棚に入れています
本棚に追加
私と草太兄ちゃんはお弁当を食べるため、保健室に来た。富田先生が養護教諭にお膳立てしてくれたので、安心して保健室でお弁当を食べることができた。
冷房の利いた涼しい部屋でのハンバーグ弁当はとても美味しかった。
「それにしてもカヤノさんは花子ちゃんに似ているわね」
「そんなに似てますか?」
「ええ。でも、カヤノさんの方が行儀いいわ」
「あはは、それはうれしいです」
花子さんは、本当にどういう人なんだろう。
先生に怒られたり、行儀が(私より)悪いと思われていたり。
「でも、花子さんって、この学校のみんなから慕われているんですね」
草太兄ちゃんがそう尋ねると、養護教諭のおばあちゃん先生は、目尻にたくさんのシワを刻みながら笑った。
「ええ。花子ちゃんは、なんていうのかしら、この学校を変えるぐらいパワフルな子なのよ」
私は思わず「良いなあ」と言ってしまった。
「カヤ?」
草太兄ちゃんは思わず私の顔をのぞきこむ。私は「ううん、何でもない」と言って、草太兄ちゃんを急かして保健室を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!