玖拾六夜

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玖拾六夜

寅が、これを見て欲しい。と画像を添付してきた。 「なに?これ?狐?動物?」 犬が全力で駆けまくったかなんかで、ブレまくりの画像だと思った。 「友達の彼女を撮ったんだ。」 私の目には、動物しか写ってないように見える。 じっ、と目を凝らすと女性の後姿だ。 女性の肩からブレまくった動物がいる。 「肩に猫でも乗せてるの?」 「いや、何も乗せてない。」 動物、と思ったそれをよく見ると、無数の顔である。 人と、犬や猫の。 老若男女の顔と動物の顔がびっしりと並び、それが狐の形になるのだ。 キツネが憑く。という。 キツネは動物霊であり、いろんなものがあわさった複合霊でもある。 なるほど、これがキツネか。 と、思った。 その彼女さんにはお祓いを勧めた。
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