恵美子

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翌週 「恵美子さん」 「和美さん」 和美は玄関を駆け下り恵美子の手を握った  2人は無言で手を握り合い 涙を浮かべ見つめ合っていた 2人はリビングで座り 恵美子は笑顔で頷いた 恵美子が話始めた 「先週ね 美穂が帰って来て 貴方の名前が出て来た時驚いたの」 「拓哉君と 結婚するって言われて二度驚いたわ」  少し微笑みながら言う 「アパートの火事が有った時ね その前の日から美穂がね  風邪をこじらせて 入院してたの 1週間入院してたわ」 「火事の事主人から聞いて知ってたけど 動けなかったの御免なさい」 「美穂が退院した次の日直ぐにアパートに 行ったの」  「焼け跡見てね 近所の人に和美さんの消息聞いたわ・・」 「誰も知らないって言われて途方に呉れたわ」 「和美さんが 働いて居たお店にも行ったの」  「店長さんが出て来て 辞めたって言われてね・・」 「和美さんの事は判らないって言われたわ・・」 「お姉さん達に会って 話したけど皆知らないって言われて・・・」   「家に帰ったの・・・・・・・・・・」 「和美さんの事 ずっと思ってたの」 「でも 良かった」 「結婚して 優しそうなご主人居て 幸せそうで」 恵美子がソファーから降り 正座すると頭を下げながら 「美穂を 宜しくお願いします」 と言う 和美が慌てて恵美子の前に座った 「恵美子さん・・・・・拓哉に 良いんですか?」  「貴方と 3年お付き合いしたから貴方を判っていますし」  「それに 決まってたんでしょう」   「美穂は子供の頃から 拓哉君のお嫁さんて言ってたじゃ無いですか」 「まだ 料理も碌に出来ない娘ですが 宜しくお願いします」 恵美子は和美の手を握り 話していた 「・・・・・・有難う御座います・・・・・・・・・」 和美は恵美子の手を握り絞め 頭を下げ涙をこぼしていた
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