恵美子

7/8
前へ
/20ページ
次へ
「母に電話したの 母の声聞いた時涙が出たわ」  「母が 帰ってらっしゃいと言って呉れて」 「貴方を連れて 家に帰ったの」 「貴方直ぐ 父の処に行って 抱かれてたわ」  拓哉を見ながら言った 「両親の前に座った時 父何も言わなかった」  「私、全て話したわ 仕事の事も借金の事も」 「父が 今日はゆっくり休みなさいって言って呉れて 凄く優しい目だった」 「貴方を抱いて 嬉しそうだったわ」 「父 それから 借金清算してくれて 栄治に離婚届書かせて  稲垣に戻ったの」 「ただね 恵美子さんの連絡先 火事で判らなく成ったのよ」  「一度お会いしたいと 何時も思っていたのよ」 「お父さんとはね 父が紹介してくれた会社で働いた時 知り合ったの   お付き合いしててね お父さんが私に言って来たの  結婚してくれって 言われた時 私断ったんだ 私の事話しして  結婚できないって お父さんそれは過去 これから二人でって言って呉れて  結婚したのよ」 夫を見ながら話し続けて居た 「父に 合わせた時 私を見たから全部話してるって言って頷いたら   涙浮かべて娘をよろしくって 頭下げてたっけ」 「美穂さん 拓哉の母はこういう生き方した人間だけど・・・・? 」 美穂は只頷いていた 「恵美子さんは・・・・・?許して呉れるかな二人の事?」 恵美子が言うと 「大丈夫だと 思います 駄目って言われたら   拓哉と駆け落ちさせてもらいます」 美穂の目が光り 言い切った 「美穂・・・・・良いのか 俺の奥さんで」  拓哉が嬉しそうに美穂を見つめる 美穂は拓哉を見て頷いていた 「20年前から決まってたんでしょ 私達・・・・・」 美穂は拓哉を見ながら言った 「来週 母と伺います 母もきっと喜んでくれると思いますから」 美穂は和美に向かい 微笑みながら言うと帰って行った
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加