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次の瞬間、強い力で抱きすくめられ、唇を塞がれた。
いつものように優しいキスではなく、荒々しいキスだった。
そして、哲朗の舌はうっすらと開いた冬馬の唇の間に侵入し、舌をとらえた。
「んっ……」
ゆっくりと甘い蜜の絡んだような舌を吸い上げると、漸く哲朗は唇を離した。
初めての激しいキスに、冬馬は息を荒らげていた。
「わかるか──? 樹とはこんなキスしてないよ。冬馬とだけだよ」
いつもよりずっと熱を帯びた眼差しで、そう言われると、冬馬の心臓は高鳴った。
「哲朗……」
夏服になり、露わになった冬馬の、透き通るような腕や首の白さに、哲朗は目を奪われていた。
「冬馬って色が白いよな、触りたくなる」
言いながら哲朗は、冬馬の半袖の腕を撫でた。滑らかな肌が吸い付くようだった。
冬馬の体がビクッと一瞬逃げかける。
その肩を捉え、哲朗の手は後ろからシャツの中に入ってきた。
首筋にキスを落としながら、裾を捲りあげ、素肌に触れてくる。
大きな手と指が、胸から脇腹を滑り、そっと愛撫する。前もこういう事があった──その記憶に甘い疼きを呼び起こされる。
一瞬冬馬は目を閉じたまま、動きに身を委ねてしまいそうになった。
今度は哲朗の動きはずっと大胆だ。手は巧みに肌を刺激しながら、敏感な場所に触れ、更に奥へと、伸びようとした。
「哲朗…ダメだよ」
漸くその手を遮りながら、冬馬が喘いだ。
「"ダメ" は "いい" ってことだろ?」
哲朗は冬馬の反応を察し、耳元でひくく囁いた。
「感じたんだろう?」
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