18 再出発

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 その言葉に、レイナは思わず涙がこみ上げてきた。  そして、頷いてから、 「…私は、軽率だった。私は、傲慢だった。今回の悲しみは、それを私に教えてくれたの」 と、言った。  そう言うレイナの背中を、サジュームは撫でながら言った。 「軽率で、傲慢だったのは、私も同じです。あなたを手に入れた喜びに溺れていました」  そして、レイナに回す手に力を入れ、ぎゅうっとレイナを抱きしめると、その耳元で、 「よく逃げませんでしたね」 と言った。ペリクレス家で大人しく暮らしていることを言っているのだ。 「もう!」とレイナは、サジュームの背を叩いた。  笑いながらサジュームは、レイナから体を離すとその両手を取った。 「逃げてもいい。また、追いかけます」  日差しで照らされたサジュームの顔は、なんだかいつもより笑っているように見えた。 「今更なんですが…」とサジューム。 「なに?」 と、レイナは小首をかしげて訊いた。 「改まると、言いづらいですね…」 「なによ。なに?」 「えっと…。言いますよ」 「だから、なに?」 「…」 「言ってよ!」 「…、結婚してください」 「!」  レイナは、面と向かって言われて驚いた。身を引こうとしたレイナの手を、サジュームは強く握った。
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