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プロローグ
長い長い時を経て、高等生物は『エニグマ』という何にでも作り変えることが可能な物質を手に入れた。
その事によって、世界は飛躍的に進化した。
『エニグマ』の研究が進むにつれ、世界は大きく2つの使用方法に分かれていく。
ひとつは、『エニグマ』を多様に使いこなす能力とプログラムの研究。
もうひとつは、『エニグマ』を体内に取り込んで肉体改造を行う研究。
後者は『異能』を発現させることに成功したが、その代償として母体となる女性は出産と共に消滅し、また女児が産まれても短命となった。
結局前者が世界を支配するシステムを作り出し、他に類の無い発達を遂げていく。
前者は所属する者達を"帝都人"と呼び、"帝都システム"という統治システムによって安定化した数々の宇宙を統括していった世界最大の民族となった。
後者は最初から禁じられた研究と認定されていたので、その存在やその代償を秘匿したまま"帝都システム"に属する事のない帝国を築いていった。
彼等は"ビアズリー人"と呼ばれ、"帝都"の規模には敵わないながらも"ビアズリー帝国"を維持していた。
諍いを起こさぬように配慮してきたビアズリー帝国であったが、ある時"地球"という低分化生物の惑星で"帝都"の逆鱗に触れ敗北し、今は"帝都システム"によって監視される国となった。
これは、そんな世界の物語である。
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