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#3-2 追跡
ルイが『ファンタジア』に着くと、先客がいた。
「あら、遅かったじゃないの」
そう高飛車に言う美貌の女性は、泣く子も黙るユーナリア・シエスタ長官である。
ルイとマナブは幼馴染で、『ユリ』と仲間から親し気に呼ばれるが基本女王様気質である。
シエスタ一族の頭脳と言われ才色兼備の非の打ち所がない、簡単に言うと誰も頭が上がらない難攻不落の女性だ。
「ユリがここに居るってことは、何かを掴んだのかな?」
「そういう貴方こそ、血相を変えて飛んで来るところをみると何か用があるんでしょう?」
ここで腹の探り合いをしている場合ではないとルイは判断し、おそらくすでにユリは知っているだろうがビアズリーの状況を掻い摘んで話をした。
「じゃあ、こちらの御仁のことで来たのではないのね」
彼女の手に握られた『エニグマ』で作られた彼女専用の暗殺兵器・太刀型『KAGEMITSU』を突きつけられても平気で寝ている者を顎で指す。
「アイン博士⁈」
愛らしい犬の姿に転生した彼は、『帝都の偉大なる頭脳』と呼ばれるほど名高い。
「この私を一度ならず二度までも欺いた男はこいつよ」
そう言うなり、ユリの『KAGEMITSU』は閃光を放ちながら目にも止まらぬ速さでアインの身体を真っ二つに斬り捨てたのだった。
「なっ⁈」
ルイの顔から血の気が引き、その場で立ちすくんだ。
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