2王立研究学院

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#2-5 厄介な奴 ロキシー・モンゴメリーと言う、ちょっとちびっ子で風変わりな男の子がいきなりビアズリー帝国の王宮医療班にやってきた。 前振りもなく、挙句(やかま)しく現れたのでジャックは普段からの顰めっ面をもっとひしゃげて全顔拒絶反応を示していた。 「ほおおおお〜ここが噂に名高いファンタジアの医療班ですかぁ。(わたくし)帝都最高の頭脳と謳われた、ロキシー・モンゴメリーです」 上から目線で捲し立てるので、バカバカしいとばかりにジャックは完全に無視することを心に決めた。 「こちらに私の荷物が先に届いているはずですが、どちらに?」 「荷物?」 「リア・バーナードというドナーですよ」 「ふざけろよ!!」 ドナーという言葉に敏感に反応したジャックは、ロキシーの胸ぐらを掴んで締め上げた。 「おおおお〜これは失礼いたしました。私はどうも言葉の使い方が上手くなくて、よく人様を怒らせてしまうのです。悪気はまったく…」 「悪気があってたまるか!」 腕を離すと、どうやらこういう事は慣れているのか(慣れてどうすると突っ込んでみたいが)何事も無かったように平然とリアのところに連れて行けという。 こいつにファンタジアの医療班に立ち入ること許すまじと、結局つまみ上げて締め出したジャックだった。 その後ロキシーはマナブを通じて、『空』の王立研究学院に文句を言いながらやって来てそのまま居ついてしまった。 何とも毎日騒がしい、ビアズリー帝国である。 マナブが落ち着いたところを見計らって、ロキシーの部屋を訪問する。 「居心地はいかがでしょう。突然の訪問に驚きましたが、帝都の医療班のお仕事は大丈夫なのですか?」 「大丈夫も何も、私は帝都の仕事を放棄してこちらに学びに来たのです。なのにあの態度は失礼ではありませんか」 全く反省の色がないので仕方なくストレートに話す。 「失礼なのはロキシー君の方ではないですか?教えを乞う者の態度では無かったようですが」 「ふむ。確かにそうかもしれませんね。では謝りに行くとしましょう」 と素直はいいが、慌てて止めるマナブはひとまずジャック達の感情を逆撫でしないよう様子を見なさいと厳命したのだった。 腑に落ちない顔をするロキシーであったが、真っ直ぐな性格なのか立ち直りが異常に速いだけなのか各王立研究学院を回って学ぶ事にすると言い出した。 「それって、道場破り的な感じだけど…」 「大丈夫です!ご心配なく」 ひたすら心配でしょうと嵐を確信しつつも、ついて歩く時間もないので好きにさせる事にしたマナブだったがそれがとんでも災いを呼び込む事になるのは時間の問題だった。 という訳であとはルイ達にでも任せることにして、仕事場である地球の大学にマナブはさっさと戻って行った。 239a941a-918d-4070-ace4-cc86cd806559 ※鬱陶しいロキシー(ぎゅーって詰め込みたくなる)
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