新第Ⅲ期

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新第Ⅲ期

扉を叩く音がする なんだろう ここは地球領域第26惑星 ユビ・イグニス・アルデット いつの頃からか 鳴り止むことのない 扉を叩く音がする 人間は嫌々住むことはしなかったらしい その地に、プロリビテリウムの胴体がまるまるあった ぼくは激しく鳴り響く鐘の音で錯乱の渦に呑み込まれていた いつの間にかのことである ぼくを乗せた宇宙船は 遙か火星までやって来た そこには あらゆる領域惑星で独自を辿った人間の種の多いことが、ついさっきまでのイロイロを彷彿させまいと尽力している ぼくの耳は まだ扉と鐘の音で満たされていた 展望デッキに出て煙草一本をふかした 突如大きな音がして 暗闇に目を凝らした なんてことだろうと心は繰り返した 星が死んだ ぼくの耳は もう満たされてはいなかったのだ プロリビテリウムは笑っていた 笑っていたと思う 笑い声に違いない 青白い光が まだ見える ありがとう エデンへの扉を… プロリビテリウムは力尽きた スノーボールアース その合図を君に送る
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