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「自分より若い奴が、直接言えない奴が、ひとりだと何もできない奴が生意気を言って、真に受けるあんたも頭が悪いって激高されてしまったそうです。その勢いで、未開封の猫砂を投げつけられ、床にちらばったので私も父も、真夜中まで掃除させられる羽目になったんです」
掃除をしている父親と唯さんを横目に、ヤスコさんは撮影部屋にこもり、そのまま朝まで出てこなかったそうだ。
面倒なことや、大変なことから逃げて、周囲にやらせている姿勢を唯さんの口から聞いただけだけれども、ボランティア活動をする資格があるかどうか、コミュニケーションアプリで無差別にアンケート調査するまでもなく、答えはひとつしかあげられない。
悪縁ゆえに、保護された猫たちがかわいそうでならない。
「保護したからあとはよろしくねって、さっさと逃げるように子猫だけ抱えて撮影部屋に行って、気に入らなければ猫砂を投げつけて、外ではだんまりを決めてやりすごして、イージーモードで生きているとか、家族としてはもう我慢の限界でした。だから、一人暮らしをする前に何もかもさらけだしたくて、それでモエさんにメールしたんです。ごめんなさい、さっきからべらべらと家族の恥というか、愚痴みたいなことばっかり……」
「いいえ、そんな気にしないでください」
唯さんはうつむき、かすかに、肩をふるわせる。
「今日は、我が家の画像も撮影してきました……母はずっと、ケージに猫たちを閉じ込めたままにして、世話もろくにしていません。けんかしたり、ストレスで毛をむしって剥げてしまったり、ひどいときは冷たくなった猫を……尻尾をつかんで、逆さづりにして……」
「せめて、抱き上げてやればいいのに……」
家で待っている「みずたま」に置き換えて、私のほうも憤る。
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