11人が本棚に入れています
本棚に追加
エピローグ
20名中"適正吸血鬼"になれたのは俺を含め14名。"非適正吸血鬼"となったのが6名だった。ガイダンスの時に隣で質問していた女の子は、何人かと付き合って血を吸ったが『愛』が入っておらず、最後の5日間は夜の街で何十人にも抱かれたが、結局一滴も『愛の血』を飲むことが出来なかったらしい。
狩りのできないライオンは飢えて死ぬ。吸血鬼もそれと変わらない。俺は彼女達の分まで立派に生きようなどという殊勝な気持ちは全くなかったが、それでも忘れることはないだろう。
俺は今も結衣と付き合っている。そしてたまに血を分けてもらいながら、人間世界で高校生として暮らしている。
そんなある日、ガラララっと教室のドアが開き、先生が入ってきた。何やら廊下の方へ合図すると、燃えるような赤い瞳に、長く綺麗なブロンドの髪をなびかせた見慣れない女子高生が入ってきた。
そのモデルのような美少女は教壇の中央に立ち、笑顔で愛想よく挨拶をした。
「初めまして、結城千里です。これからよろしくお願いします」
最初のコメントを投稿しよう!