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圭一はコンビニで適当に買ってきた飲物や食べ物をテーブルに置く。「何か食べるか?」と聞けば、「みかんゼリーがいい」と言う。
味の指定までするなよ、と思いつつ、美月の好みを知っている圭一は当然みかんゼリーも購入しているわけで。
「さすが圭くん、わかってるぅ~」
「当たり前だろ。それよりほら、口開けろ」
「えっ、自分で食べられるよぅ」
美月は圭一からみかんゼリーを奪う。
食べさせて貰うなんて恥ずかしい。
けれど圭一はまた眉根を寄せた。
「美月さぁ、昨日は恥じらいもなくパンツが濡れたとか騒いでいたくせに、なんでここで照れる?」
「そっ、それはぁっ、……てゆーか、そんなこと聞くなんて圭くんデリカシーがないよ。モテないよ」
「別にモテなくてもいいよ」
「むう、可愛くないなぁ」
ふん、と美月はそっぽを向く。無言でゼリーをパクパクと食べ始めた。
「今年受験なんだから、本当に気をつけろよ」
「わかってる」
「志望校決めた?」
「まだ。圭くんは?」
「一応、医大狙い」
「え、すごっ。でも、圭くんならきっと受かるね。頭いいもん」
高校に入ってからずっと学年上位をキープしている圭一といつも赤点を気にしながらどうにか中間辺りに滑り込んでいる美月。
「大学は離ればなれになっちゃうね」
口に出したらなんだかとてつもなく寂しい気がしてきた。圭一とは保育園からずっと一緒なのだ。高校だって圭一と同じところに通いたくて、自分の偏差値よりも上だったけれど頑張って勉強した。だけど大学は、もう無理だろう。なにしろ圭一は医学部を狙うと言っているのだから。そこまでの学力は美月にはないし、医者になりたいとも思わない。
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