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歌舞伎町──。ここは酒と金に匂いが漂う夜の街。
この街に足を向ける男達は、ひと時の安らぎと癒しを求め、母ちゃんに内緒で貯めたヘソクリをポケットに忍ばせ、お気に入りのキャバ嬢の元へと通うのだった。
そんな男達がキャバクラ通いをする理由。それは家に帰りたくないから!!
その一言に尽きよう。何故そんなに帰宅するのが嫌なのか、家庭円満、夫婦ラブラブのリア充には分かるまいが、帰宅すれば母ちゃんに家事を手伝えだの、育児に協力しろだの、仕事で疲れていると言うのに、こんな小言を言われては帰りたくなくなるのも当然の理である。
ここ、キャバクラ『プリンセスムーン』も歌舞伎町に軒を連ねるキャバクラのひとつである。
そして、今宵もフラフラとキャバ嬢のフェロモンに引き寄せられる男がいた。
彼はプリンセスムーンの常連であり、独身時代に貯めた貯金を崩しながら足しげく通っていたのである。
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