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ぼくのいもうと
「フラヴィオ、お前に弟か妹ができるぞ!」
おとうさんがとてもうれしそうに言う。いつもにこにこしてるけど、本気でうれしそうなところはめったに見ないから、ぼくもつられてうれしくなった。
「ほんと? いつうまれるの?」
「夏に。七月の終わりか、八月の初め頃になりそうだ」
「とってもうれしいな!」
「可愛がってやってくれよ」
「もちろん!」
けっきょく、ぼくのかぞくがふえたのは七月のおわり。とってもかわいい女の子だった。
「Fの次だからGか……」
しんせきどうしのえんかいの席で、こどもが生まれたらアルファベット順に名づけようか、なんてじょうだんでだれかが言いだして、さいしょに生まれたいとこがAのアレッサンドロと名づけられてしまったので、ほかのしんせきもひけなくなってしまったらしい。だから、ぼくのいとこたちは名前で生まれ順がわかる。まあ、べんりではあるけれど。
おとうさんとおかあさんは名づけなんかどうでもいいみたいだ。ぼくが生まれた時はFの順番だったから、「髪が黄色いからフラヴィオ」とあっさり決めたんだそう。それを聞いた時、ぼくは「じぶんのこどもが生まれたら、ぜったいいろいろ考えて、すてきな意味のある名前をつけてあげよう」と決めた。
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