part 13

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「…った…っ…」 まだまだ暗い明け方、小さな声が目覚ましとなる。 「どこ…?」 「…ぁ…ごめん…」 「ん、動いてどこが痛んだ?」 いつもと同じように俺の腕の中で眠っていた紗栄子だが、痛むところがあるなら強くは抱きしめられない。 「……ぅん…なんか…」 気だるげな声が俺のオレの目覚ましとなるが、痛むところがあるなら強くは抱きしめられない。 「首も…腕も…お腹も背中も全部…痛い…」 「加えられてた力に全身で抵抗してたから筋肉痛状態」 「あ、筋肉痛…そういう痛み…」 「ん、楽な格好になっていいぞ。一日ゴロゴロと休んでいればいい」 紗栄子はモゾッ…モゾモゾッ…俺の緩めた腕の中で体勢の変えてみて…モゾッと腕から上に出て来た。超絶可愛い生き物だ。そして肩甲骨あたりまで枕を当てて 「これがマシ…かな…」 ふーっと息を吐く。全身の筋肉をあり得ないほど緊張させて、最大限の力で抵抗すれば全身筋肉痛も説明がつく。 「少し動く方が…治ると思う…」 「ん」 もう一度眠れそうな紗栄子の思考の邪魔はしない。 「龍之介…」 「ん」 俺の腕は本職の枕によってフリーにされたので紗栄子の手を握り指を絡める。 「俺も休みだ」 「…大丈夫だよ、私…」 「俺が紗栄子とこうしていたい」 「じゃあ…いいか…」 「ん」 「…ぅん…」 またスーッと静かに眠りに落ちていく紗栄子の寝顔を見ながら、俺はすっかり目覚めた俺のオレに今日は耐えろと言い聞かせた。
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