スパイず

エピローグ

「おい！なんで俺はいつまでも元に戻らねーんだよ！」

西のジュリアスの研究所で、エスは大声を張り上げた。
モーガンは副作用が出ず24時間後無事に男に戻れたが、エスはジュリアスが作った薬を飲んでも一向に元に戻らないのだった。
あの後、東から無事帰国したジュリアスはジュリアの双子の弟として、ジュリアとモーガンは東の手で殺されたと発表し、モーガンは表向きはミカエルと言う別人に変わっていた。
しかもその発表により、核兵器の東西共同開発は白紙になり、東は経済的にも窮地に追いやられた。

「それは僕が聞きたい！東が作った紛い物の副作用が強力すぎるんじゃないのか！」

「元はお前のだろッ！このニセ科学者！」

「なんだとッ！」

「今度失敗したら、俺はお前と手を組まないからなッ！」

「失敗じゃない！お前の飲んだニセ薬が悪いんだ！」

2人のやり取りに、ジュリアとモーガンの身代わりに死体役になり、エスと一緒に西に亡命した仲間のドライバーとベルボーイは、また始まったと呆れ顔になる。

「こいつら、この先どうなるか賭けでもしねーか？」

「良いですね、ノリます」

「あ、私も」

3人は笑いながらテーブルの上に金貨を置いた。