プロローグ

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プロローグ

「これを飲めば24時間女に変われる」 茶色の小瓶の中には、錠剤の薬が入っていた。 それを東の軍の大将からエスは受け取る。 「本当にこんな物で女に変われる?これが毒薬ではないと言い切れるのか?」 エスは疑心暗鬼の目を大将に向けた。 「毒ではないが、1つだけ副作用が有る」 薬に副作用はつきものだ。 それはエスも理解はしている。 「性別が変わるなんて、人権問題だとまだ正式に承認されていないが、こんな物が世界的に発表されて出回ってみろ、それこそ西が潤うばかりだ」 確かにとエスはクスりと笑う。 元々トランスジェンダー向けに、西が10年以上前から開発していた薬だ言う事で、軍の指令で西からその情報を奪ったのはエスだった。 「それで、肝心の副作用は?」 1番気になる事をエスは尋ねると、大将はニヤリと笑って答えた。 「24時間経っても、元の性別に戻らない」
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