07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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「私は鳥になる前――邪教の術師だと言われ処刑されたことがあるんだ。羽化登仙したあとでかつての記憶を取り戻したが……人間であったときの経験がいまこうして、役に立つとはね」  閑白(シャンバイ)が呪文を唱えると、閑白(シャンバイ)と同じ姿をした分身たちが十数人ほど現れる。 「煬鳳(ヤンフォン)」  凰黎(ホワンリィ)が囁く。 「あの人形は、術者と同じ能力を持っています。恐らくまともに戦うのは無理でしょう」 「なら……やっぱり本体を叩くしかないのか?」  凰黎(ホワンリィ)は頷く。 「ですが、相手もそれは百も承知。そう容易くはさせて貰えないでしょう。それに翳黒明(イーヘイミン)の様子も心配です……」  凰黎(ホワンリィ)の向けた視線の先には、防戦一方の翳黒明(イーヘイミン)の姿が見える。いまは閑白(シャンバイ)のほうが遊んだ気になっているのでまだいいが、閑白(シャンバイ)が本気を出したのなら翳黒明(イーヘイミン)も太刀打ちできないはずだ。  特に、翳白暗(イーバイアン)が彼の盾になっている以上、翳黒明(イーヘイミン)翳白暗(イーバイアン)を傷つけることはできない。もし、翳黒明(イーヘイミン)翳白暗(イーバイアン)に刃を向けるならば、そのときは二人で死ぬ覚悟を決めたときだ。 (そんなこと、させるものか!)  何か打開策はないものか、煬鳳(ヤンフォン)は必死で先ほど見た記憶を手繰り寄せる。 「そうだ、藍方(ランファン)! あの箱どこにやった!?」 「あの箱?」
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