07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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 相当な力を入れたにもかかわらず、箱からは軋む音一つ聞こえてはこない。 「くそっ、絶対にこの中にあるはずなんだ……! 開け!」  それでも諦めず、煬鳳(ヤンフォン)は力を込める。それを見て彩藍方(ツァイランファン)が腰に差してある道具を箱に当て「貸してみろ、俺がやる!」と煬鳳(ヤンフォン)の代わりに試みた。  そうこうしている間も皆は戦っている。堪らず煬鳳(ヤンフォン)黒曜(ヘイヨウ)を両手で抱えて覗き込む。黒曜(ヘイヨウ)はいつでも来い、という顔で煬鳳(ヤンフォン)を見つめていた。 「よし……! 黒曜(ヘイヨウ)、存分にやってやれ! でも無理はするなよ! 退けるだけでいい!」  煬鳳(ヤンフォン)黒曜(ヘイヨウ)にそう言って激励を飛ばす。黒曜(ヘイヨウ)は一声鳴くと閑白(シャンバイ)の分身目掛けて飛んで行く。始め閑白(シャンバイ)と戦ったときは全く相手にならなかった黒曜(ヘイヨウ)だったが、二度目ともなれば警戒も怠らない。  襲い掛かる分身たちをかく乱するようにすり抜けて、相手の油断を誘う。力と力でぶつかっても競り負けるだけ、力を使いすぎても煬鳳(ヤンフォン)に負担をかけるからだろう。 (本当なら黒曜(ヘイヨウ)だって白暗(バイアン)のもとに行きたいだろうに……)  煬鳳(ヤンフォン)黒曜(ヘイヨウ)の心遣いを有り難く思う。 「貸してください!」  しびれを切らせた凰黎(ホワンリィ)が、彩藍方(ツァイランファン)から箱を奪おうとすると、黄色い影が側にやってきた。
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