07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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 そこまで言ったとき、丁度起き上がる途中だった彩藍方(ツァイランファン)の顔が凍り付く。煬鳳(ヤンフォン)たちの方に向かって指を差し――。 (違う!)  咄嗟に煬鳳(ヤンフォン)は振り返る。視界に入ったのは、鳥ともつかぬ化け物だ。鳥のようであり、鳥とは言い難い。六つの目を持っているが、その下には更に人の顔がついている。その人間の顔は閑白(シャンバイ)そのもので、背筋が凍るような悍ましい笑みを浮かべていた。体には足と翼が複数生えており、それらをバタつかせながら煬鳳(ヤンフォン)たちに迫る。その光景があまりに不気味で煬鳳(ヤンフォン)は喉の奥から声が出せなかった。  巨大な怪鳥は地響きを轟かせながら煬鳳(ヤンフォン)たちに向かってくる。鳴き声は大地を揺らすほど激しく、頭が割れるほどの衝撃を呼び起こす。  巨大な体躯と素早さ、そしてそして背後にいるであろう小黄(シャオホワン)鸞快子(らんかいし)たちのことを考えれば避けることも難しく、煬鳳(ヤンフォン)は必死で頭の中でどうやったらこの攻撃をはじき返せるかを考えた。 「白暗(バイアン)のことを頼む」 「え!?」  よろけながら立ち上がった翳黒明(イーヘイミン)煬鳳(ヤンフォン)たちの前に立つ。  生きているとはおよそ言い難い状態の翳白暗(イーバイアン)のことを、それでも命を懸けて守ろうとする翳黒明(イーヘイミン)に堪らず煬鳳(ヤンフォン)は「馬鹿野郎!」と叫ぶ。少しだけ翳黒明(イーヘイミン)が苦笑したのを見て、もう一度煬鳳(ヤンフォン)は同じ言葉をつぶやいた。
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