07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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 厳しい顔で蓬莱(ほうらい)と相対している凰神偉(ホワンシェンウェイ)は、弟のことがあるとばかりに覚めた声音で言い放つ。とはいえ、仮にも彼は恒凰宮(こうおうきゅう)宮主(ぐうしゅ)。怒りの感情をむき出しにするわけではなく、極めて冷静な口調で蓬莱(ほうらい)に言葉を返した。  ――ということは、つまりこの老人は『蓬莱(ほうらい)』か。  老人と凰神偉(ホワンシェンウェイ)、二人の会話から煬鳳(ヤンフォン)はそのように読み取った。 「お久しぶりです、蓬莱(ほうらい)様」  そんな二人の微妙な空気を壊すように、凰黎(ホワンリィ)が丁寧に蓬莱(ほうらい)に向かって拝礼をした。いまこの場で一番悔しい思いをしているのは凰黎(ホワンリィ)自身であるのだろうが、それをおくびにも出さない凰黎(ホワンリィ)は大したものだ。  蓬莱(ほうらい)凰黎(ホワンリィ)の挨拶が嬉しかったのか、心なしか言葉が明るくなる。 「久しぶりじゃ。そなたがまだほんのこれくらいの小さい子供だった頃以来じゃな。幼かったそなたも今や大人。あれから考えは変わってはいないのか?」  しかし、挨拶と会わせて出てきた言葉は、やはり恒凰宮(こうおうきゅう)の兄弟が望まぬ言葉ばかり。これでは話が通じないといわれても本当に仕方がない。  対する凰黎(ホワンリィ)も予想していたのか、少しも考えるまでもなく問いかけと同時に蓬莱(ほうらい)に返す。 「はい。蓬莱(ほうらい)様には大変申し訳ないのですが、私はまだこの人界で生きて行きたいのです」
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